WEEKEND|2020|core of bells|installation view
The Deserted House in Kanaki
金木の廃屋
Maker: 大工(建築)、雪、風、日光(風化、退色作用)
Date: 2021
Medium: 木材、顔料
Location: 青森県五所川原市金木町菅原429-2
パリ市内を巡ることでフランス旅行をするように、津軽平野を巡ることで宇宙を旅することはできるだろうか。物理的な事実として私たちは、津軽のコンビニで買い物しながら、間違いなく銀河のただ中を秒速230kmの速さで周回している。しかし私たちは切り分けられた小さな部分のみに注目してして、総合的な視野を失ってしまう。総合的な見晴らしは、無数の対象に妨げられているのだ。
いたるところに吹き飛ばされた壁のある金木の廃屋は、近代建築のように視覚的に透明なだけではなく、物理的な透明性を備えている。玄関から屋内を覗くとそこに岩木山が見える。その内側は、外側へと視線を誘導するのだ。《金木の廃屋》はいわば、津軽平野に見晴らしを提供する建物であり、世界への総合的な視野を展示する美術館だ。そこでは、家のもっとも内側に隠された場所であるトイレの穴の中に星空を見ることもできるだろう。
一方で、ひらけた見晴らしを妨げるように設置された看板は、現実の中に絵画のような視覚的空間を作りだしている。古い看板の手前に貼られた看板は縮小された文字の効果によって、逆に奥行きへ退く効果を生み出している。ふたつの看板を貫く白抜きの帯は、看板に視覚的な透明性を与えている。
ふたつ看板の色の対比は太陽光による発色と退色のプロセスを示している。顔料は太陽光によって色 彩を生み出すと同時に、太陽光によって少しずつ破壊されていく。絵画が少しでも寿命を伸ばすためにドラキュラのように日光を避けなければならないのはそのためだ。日の光にさらされた看板は色を失い、 白に還元されつつある。変わらない色は存在せず、すべては変化する。しかし、不動産の看板は「不動」の何かを暗示している。
General Museum | Grave
ジェネラル・ミュージアム|墓
The Scallop Shell Mound
ホタテの貝塚
The Mitsubishi Fuso MK115F
三菱ふそうMK115F
The Deserted House in Kanaki
金木の廃屋
Aomori is a grave of space on the same latitude
青森は同緯度上の空間の墓
- Aomori 青森
- Pacific Ocean 太平洋
- New York City ニューヨーク
- Atlantic Ocean 大西洋
- Madrid マドリード
- Napoli ナポリ
- Istanbul イスタンブール
- Yerevan エレバン
- Gobi Desert ゴビ砂漠
- Great Wall of China 万里の長城
THE MOON IS A GRAVE OF THE EARTH
月は地球の墓
THE EARTH IS A GRAVE OF THE SUN
地球は太陽の墓
THE SUN IS A GRAVE OF THE UNIVERSE
太陽は宇宙の墓
GRAVE OF SNOW
雪の墓
GRAVE OF STAR
星の墓
GRAVE OF EYE
目の墓
The Submerged Forest in Dekishima Coast
出来島海岸埋没林
The Tomb of Christ: Church of the Holy Sepulchre
キリストの墓:聖墳墓教会
The Tomb of Christ: Rennes-le-château
キリストの墓:レンヌ=ル=シャトー
The Tomb of Christ: Rozabal
キリストの墓:ロザバル